脾臓と出血傾向


口の中の血豆や眼の結膜下出血などについて調べていると「特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic thrombocytopenic purpura=ITP)」という病名をよく目にします。

難病に指定されている病気で、まだ原因がはっきりと特定されていないのですが、血小板が極端に減少するために出血が起こりやすく、止まりにくくなる病気です。血小板は出血が生じた際などに血管の破堤箇所で凝固し、出血を止める働きをします。

特発性血小板減少性紫斑病では口の中の血豆眼の結膜下出血などの他に、鼻血歯茎からの出血なども起こりやすくなり、最悪の経過としては脳出血も想定されています。

それを防ぐために副腎皮質ステロイドなどの薬による治療が行われるのですが、薬の効果が得られ難い場合などに選択される治療方法の一つに「脾臓摘出手術」があります。

「ん?脾臓ってなんだったっけ?」

実際そう思いました。確かに聞き覚えはありますが、なかなか話題にのぼることの無い臓器です。多発する出血と、どのように関わっているのでしょう。

私自身は健診でも特発性血小板減少性紫斑病のような極端な血小板の減少は指摘されていませんし、出血もそれほどまでには深刻ではないのですが、それでも出血傾向を自覚している者として、脾臓という臓器の働きに興味を抱きました。

脾臓の働き



脾臓には以下のような働きがあります。

その1.赤血球の更新

脾臓は古くなって機能の落ちた赤血球を破壊します。破壊された赤血球からはビリルビン(胆汁色素)などが取り出され、鉄は再び骨髄で新しい赤血球が造られるのに利用されますし、ビリルビンは胆汁の成分として利用された後に、大方は便と一緒に排泄されます。ちなみに胆汁はアルカリ性で、胃酸を中和したり、脂肪を乳化して小腸での吸収を助けたりします。

その2.免疫に関連する抗体を作る

免疫は体内に侵入した有害な異物(ウイルスなど)を駆逐排斥する機能ですが、マクロファージが異物を取り込んで破壊する際にその形態を記憶し、再度の侵入に備えてリンパ球から「抗体」が作られます。抗体に対して、有害な異物のことを「抗原」と言いますが、抗原の侵入に抗体がいち早く反応し駆逐する過程を「抗原抗体反応」と言い、それはいわゆる「アレルギー反応」と同義語で、抗体が抗原と戦うときに起こってくる体の反応が炎症や発熱や鼻水だったりします。脾臓はリンパ系の主要な器官として「抗体」を作る働きも担っています

その3.血小板の貯蔵

脾臓は全身のおよそ3割ほどの血小板を貯蔵していて、必要に応じて血液中に供給されています。

出血傾向との関連性


脾臓は肝硬変などの病気の影響で肥大することがあります。脾腫と言われる状態ですが、脾臓には血小板の貯蔵庫としての働きがありますので、それが大きくなると貯蔵される血小板の量が多くなり、血液中の血小板が少なくなってしまうということが起こります。
また、脾臓において自身の血小板を攻撃する抗体が作られてしまう免疫異常も知られており、脾臓の働きは出血傾向と密接に関わっています。

まとめ


脾臓というのは日頃あまり注目されない臓器ですが、血液の調整や免疫機能に関わっていることが解りました。
飲酒家としては、「肝硬変の影響で脾臓が大きくなる」という点が胸に刺さりました。肝硬変などで肝臓内の血管が狭小化すると脾臓側から肝臓へ向かう脾静脈という血管の流れが滞り、慢性的に血管内圧が亢進するために脾臓が肥大してしまい、脾腫の状態が生じるのだということです。或いは私の出血傾向も、なりかけの肝硬変による、なりかけの脾腫が原因なのでは?という思いも抱きました。今後は心して健診のデータに注目していきたいと思います。

それにつけても知るほどに多岐にわたる飲酒の弊害。少量ならば百薬の長ともいわれるのですから、やはり量を自制して末永く楽しみたいものと思いました。

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